お知らせ 作品紹介

水彩画紹介 題名 桃 作者 東俊達

水彩画紹介 題名 桃 作者 東俊達

画家は自分のスタイルを固定し、自分の個性を出せるように描こうと意識するのはちょっと違うと思う。なぜなら個性やその作品の味や品は自然と滲み出てくるものだから。自然体で取り繕っていない真の姿こそが一番美しいと思う。自然体であるということ、自然を捉えるということは私の大きなテーマだ。

桃は柔らかく、優しく、瑞々しく、甘く、繊細で透明感がある。触ると果汁が出てきそうだ。ただ鮮やかな色だけで描いてもその感じがでてこない。だからといって濃い色を使いすぎると岩のようにゴツゴツしてしまう。毎回、水彩画はその絶妙なバランスで大きく調子が変わってしまうのだ。

毎回同じような画風でしか表現できないのはちょっと残念だ。描くモチーフは柔らかかったり、硬かったり、優しかったり、強かったり、動きがあったり、穏やかであったりなどと毎回違うし、またその一瞬一瞬で変化する。毎回違い、変化多様のモチーフを同じように描くのはつまらない。そしてこの多様で繊細な変化を捉え、それに合わせた描き方で表現することは深く、また難しいと思う。

その深遠な難しさこそが藝術の魅力だと思う。

水彩画紹介 題名 桃 作者 東俊達

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